マンション売買契約における紛争/不動産・土地・建物・借地・借家・マンション法律相談室/弁護士法人アスタスク法律事務所(神戸)

 

  

第1 マンション売買の特色

 

1 マンション売買の主たる目的物は,①買主が独占的に使用する建物部分(専用部分の区分所有権),②他の区分所有者と共同で使用する建物の共用部分や附属施設に対する共有持分,③建物敷地に対する敷地権(賃借権または地上権の共有持分となる場合もある)がその目的物となります。


2 マンションでは,自分が独占的に使用し所有する専有部分だけでは生活できず,建物の共用部分,敷地及びその附属施設がなくしては生活できません。建物の共用部分,敷地及びその附属施設は,区分所有者全員の集団で管理しなければならず,これをどのように管理するかによってマンションの生活環境が決定されることになります。よって,マンションを購入する際には,この「管理」を含めたものを検討する必要があります。
具体的には,まず,マンションの管理ルールを定めた「管理規約」「使用細則」を注意して読む必要があります。専有部分の使用目的は住居と規定されているか,ペットは飼育できるか,駐車場は公平に利用できる仕組みとなっているか,管理は管理会社に委託されているか,など重要な事項をそこから知ることができます。


3 中古マンションの場合,売主が管理費・積立金など負担金を滞納していると,その支払いを買い主であるあなたが負担しなければならなくなりますので,売買契約締結に際して確認する必要があります。
また,中古マンションでは,補修実績を調査して,どの程度の修繕がなされているのか,修繕積立金はどのくらいあるのか,今後の修繕計画は立てられているのかも点検して,建物などの状態を確認する必要があります。

 

 

第2 売買契約における注意事項

 

1 重要事項説明


宅建業者が,マンションを分譲するときは,買主に対して分譲する建物についての重要な事項を書面で説明する必要があります(宅建業法35条)。
「マンションの分譲販売についての重要な事項」は,下記のとおりです。


① 建物の敷地に関する権利の種類及び内容

①→マンションは建物ですから,当然その敷地に対し使用権がなければ存立しえません。この敷地の使用権は,必ずしも所有権ばかりではなく,賃借権であったり,地上権であったりします。賃借権や地上権ならば,存続期間が定められていたり,地代の支払義務があります。

 

② 共用部分に関する規約の定め
③ 専有部分の用途その他利用制限に関する規約の定め
④ 建物または敷地の専用使用権に関する規約の定め
⑤ 修繕積立金,管理費などの費用を特定の者のみ減免する規約の定め

②~⑤→「規約」には,共用部分の範囲や管理の方法,集会での議決の内容とその条件,議決権の数とその行使の方法など,主として共有者相互の利害脚気にを調整する部分だけでなく,専有部分の使用方法についての規制など,各区分所有者に直接関係する規定も定められています。規約はマンションの権利関係を調整し,快適な生活を送るうえで不可欠のものです。この内容を事前によく確かめておかなくてはなりません。

 

④→マンションには専用庭や専用駐車場など,本来は共有者全員が平等に使用できる部分について特定の人に独占的に使用させる場合があります。このような使用権を「専用使用権」と言いますが,しばしばこの専用使用権をめぐってトラブルになります。

 

⑥ 修繕積立金の内容及びすでに積み立てられた金額


⑦ 通常の管理費の金額


⑧ 管理委託業者の氏名及び住所

⑧→マンションは「管理を買え」と言われるくらい,管理の良否が価値に影響します。

 

⑨ 建物の維持修繕実施状況の記録

 

 

なお,平成13年4月1日に施行された消費者契約法では,マンション分譲業者が,分譲販売の勧誘に際して,消費者(購入者)に対して,重要事項について事実と異なることを告げ,これを事実と誤認して消費者が契約の申込みまたはその承諾の意思表示をしたときは,これを取り消すことができ(消費者契約法4条1項),また,重要事項または重要事項に関連する事項について,分譲業者が,消費者に利益となる旨を告げ,かつ,当該重要事項について消費者の不利益となる事実を故意に告げなかったことにより,当該事実が存在しないと誤認をしたときは,これを取り消すことができるとされています(消費者契約法4条2項)。

 

2 未完成物件の売買の場合


マンション分譲で特徴的な販売形態は,建物が完成する前にモデルルームをお役三に見せて売買契約を結ぶいわゆる「青田売り」です。
代金を支払ってからかなりの期間が経ってから現実に建物が引き渡されるため,その間に売主が倒産するなどの危険があります。
そこで,宅建業法は,宅建業者が自ら売主となる「青田売り」については,売買代金額の5%を超えるか,または1000万円を超える手付金を受け取る場合は,手付け金の保全措置(金融機関と保証契約するなど)を講じることが義務づけられています。「青田売り」の場合,この点を確認する必要があります。


3 クーリングオフ


宅建業法では,宅建業者が自ら売主となる場合,業者の事務所及び国土交通省令で定める場所以外の場所で買受申込みが行われ,または,売買契約を締結した場合には,買主は一定の条件の下に書面により買受申込みを撤回し,または,売買契約を解除することができます。
ただし,買主がその自宅または勤務する場所で宅地・建物の売買契約に関する説明を受ける旨を申し出た場合は,クーリングオフすることができません。
クーリングオフの期間は,クーリングオフ制度の記載のある書面を宅建業者から交付されたときから起算して8日以内とされています。


4 ローン特約付売買


売買代金の支払いをローンで予定し,ローンが不成立となったときは契約はなかったことにしたいというときは,ローンの融資実行を条件とする契約をする必要があります。
ローンの特約条件付売買を締結するときは,「ローン」の特定をする必要があります。単に「ローン」としたのでは,買主としてはどんな銀行でもよいからローンを申し込む義務が生じる可能性がありますので,条件を明確にするために「○○銀行の住宅ローン」といった記載を契約書にしておく必要があります。


第3 解約手付金

 

マンションの売買契約に際しては,手付金を授受することが多いですが,契約書上には手付金を解約手付金として,「売買契約の相手方が契約の履行に着手するまで」は買主はその手付金を放棄し,売主はその倍額を償還して契約の解除をすることができると定められています。

 

→「契約の履行に着手するまで」とはどの時点まででしょうか?


裁判例によると,「売主が各種の登記申請書類を用意したとき」「買主が残代金の支払の用意をして,用意をしたこと及びその受取をしてほしいことを売主に告げたとき」などが「契約の履行に着手」に該当するとされてます。


 

 

 

  

 

 

 

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